「どんな医療を、誰に、どこで届けるか」を言語化するフェーズです。ここで決めたコンセプトが、その後の物件選定・資金計画・ブランディングすべての土台になります。
タスク
- 開業動機と診療方針の言語化
- ターゲット患者層の設定
- 自身の働き方・ライフプランの整理
- オンライン診療/訪問診療の導入判断
- 診療圏調査(人口動態・競合・交通導線)
- 事業計画書の初稿作成
- 資金調達の方針決定(自己資金/融資/助成)
落とし穴
- 「とりあえず開業」でコンセプトを後回しにすると、内装や広告の判断軸がぶれます
- 立地選びの困難率は28.1%。診療圏分析を直感で済ませない
- 退職時期の家族相談を後回しにしない
物件と融資が固まると、開業は一気に現実になります。家賃比率・返済比率を健全に保つことが、開院後の経営を左右します。
タスク
- 物件タイプ決定(テナント/戸建て/居抜き/医療モール)
- 家賃が月商の7〜8%以内に収まる物件への絞り込み
- 初期投資と運転資金の積み上げ
- 日本政策金融公庫・信用金庫への融資申請
- 高額機器のリース/サブスク活用判断
- 設計・施工会社の選定着手
落とし穴
- 家賃比率の見積もりが甘いと、開院後すぐ資金繰りが苦しくなります
- 融資審査は6ヶ月前後かかるため、後ろ倒し厳禁
- 物件と設計を同時並行で進めないと、内装工事が間に合いません
内装・医療機器・電子カルテ・予約システム。患者さんが触れる「体験」のハードウェアを整える期間です。
タスク
- 動線設計(患者動線と裏動線の分離)
- 内装工事の着工
- 医療機器の選定・発注(新品/中古/保守契約)
- クラウド電子カルテの導入決定
- Web予約システム/LINE連携の仕様確定
- 自動精算機・キャッシュレス端末の選定
落とし穴
- 電子カルテと予約システムの連携を最後に詰めると、開院後に二重入力が発生します
- 動線設計のミスは、開院後に直せません
- 機器の納期は2〜3ヶ月かかるため、4ヶ月前には発注を確定する
スタッフ採用の困難率は 41.0%——開業準備で最も難航しやすい工程です。早めの動き出しと、働きやすい環境設計の両輪が必要です。
タスク
- 看護師・医療事務の求人媒体選定・募集開始
- 書類選考・一次面接(5ヶ月前)
- 最終面接・内定通知(4ヶ月前)
- 労働条件通知書・雇用契約書の発行
- 電子カルテ操作研修
- 感染対策・接遇マナー研修
落とし穴
- 求人広告を出すだけでは集まりません。クリニックの世界観・働き方を伝える「採用ブランディング」が必要です
- 内定後の辞退率を見越して、目標人数の1.2〜1.5倍で動く
- 研修期間を取らずに開院すると、初週のオペレーションが崩れます
★ 主戦場
開業の成否を左右する集患工程は、開院直前ではなく 5ヶ月前から動き出す ことが定石です。理由は、Googleが新規ドメインをすぐに評価しないこと、認知が立ち上がるまでに最低60日かかること。SO MEDICAL DESIGN がもっとも力を発揮するフェーズです。
タスク
- 院名・ロゴ・カラー・キービジュアルの確定
- ブランドガイドラインの策定
- ホームページの設計・制作(開院60日前公開を目標)
- 撮影/原稿/医療広告ガイドラインチェック
- Googleビジネスプロフィールの登録・最適化
- LINE公式アカウントの構築(リッチメニュー設計)
- Instagram広告の配信開始(CPA目標:5,000円以下)
- ポスティング・新聞折込の準備
- プレスリリースの配信
- 看板・サイン計画
落とし穴
- サイトを3ヶ月前に発注すると、撮影・原稿・医療広告チェックで間に合いません
- 広告予算を全期間で均等に配分すると効きません。開院直前に予算のウェイトを置くのが定石です
- ロゴと内装色がちぐはぐだと、看板修正費が発生します
- 医療広告ガイドラインを後から確認すると、修正範囲が広がります
保健所への診療所開設届、厚生局への保険医療機関指定申請、労災・雇用保険など、行政手続きが集中するフェーズです。締切が厳格な書類が多いため、行政書士との連携が安心です。
タスク
- 保健所への診療所開設届(事前相談を含む)
- 厚生局への保険医療機関指定申請(指定日前月15日頃が締切)
- 労災・雇用保険成立届
- 医療廃棄物処理契約
- 放射線施設届(該当する場合)
- 電力・通信・水道・ガス・警備の開通日確定
落とし穴
- 保険医療機関指定の締切を逃すと、開院月の保険診療ができません
- 書類不備での差し戻しを想定し、2ヶ月前には初稿提出する
- 放射線施設の届出は、内装工事と並行して進める
内覧会は単なるお披露目ではなく、開院後の最初の集患装置です。来場者をLINE登録/予約まで導く設計が必要です。
タスク
- 内覧会の告知(ポスティング・地域ポータル・SNS)
- 院内ツアーとミニ健康測定プログラムの企画
- 来場者アンケートをLINE登録へ誘導する仕組み
- DM送付リストの作成
- 受付・診察・会計の動線シミュレーション
- スタッフ全員での模擬診療
落とし穴
- 「来場してもらうこと」がゴールになると機会損失します
- LINE登録までの導線を当日になって考えると間に合いません
- スタッフのオペレーション練習が足りないと、内覧会の第一印象が下がります
開院は通過点です。最初の3ヶ月で立ち上がりの傾向が見え、改善の優先順位が決まります。データを「見るためのダッシュボード」が必要です。
タスク
- 月次損益表(PL)の監視
- 新患数・再来率・平均診療単価の追跡
- 受付待ち時間・会計待ち時間・キャンセル率のモニタリング
- SNS広告の効果測定と配信比率調整(目標:新患150人/CPA4,000円台)
- 指名検索数・Googleマップ経由予約・LINE友だち追加数のダッシュボード化
落とし穴
- 数字を見ない経営は感覚に頼ることになります
- 広告予算の調整を月次でやらないと、CPAは下がりません
- 指名検索が伸びない期間はサイト改善の投資判断が必要です